<パンナ+ラクター/パンナ視点/少しすけべ>
話の流れからラクターさんと寝る事になってしまった。
勿論、同じベッドで並んで添い寝をするだけであって、女同士だし何もやましい事はないはずなんだけど。
『それでは今夜、私の部屋で』
なんて耳元で甘く囁かれ、緊張しながらも、断り切れぬままのこのこと部屋の前まできてしまった。暗い廊下に佇みながら覚悟を決め、扉を数回ノックすると返事と共に扉が開かれ、中に招かれる。書斎より手狭な部屋はベッドの他にサイドボードのみで、今はランタンと月明かりのみに照らされ妖しい雰囲気に包まれていた。
ラクターさんと言えば、ワイシャツとパンツのみという普段よりラフな格好で、しかし就寝前にしては不自然な格好で立っていた。私の前にラクターさんもお風呂入っているはずなんだけど、上がった後脱いだ服をまた着ているんだろうか。
まさかその格好のまま寝るのかな。なんてうっかり固まったまま、まじまじとラクターさんを見ていると、するりと肩に手を乗せられた。
「それでは、床に就くとしようか」
無駄に接近し、耳元で囁かれ心臓が変な跳ね方をする。いや、ただ寝るだけ、寝るだけ…
平静を装いながら、二人で寝るには若干狭いベッドに腰をかける。ガレットさんとならすっぽりおさまるだろうけど、180弱の長身のラクターさんと私では自然と密着する形になるだろう。
「良いかな、灯りを消すよ」
サイドボードに置かれたランタンの火を消すと、一瞬目の前が暗くなる。月明かりにより影になっていた部屋の形が徐々に見え始めた頃、ラクターさんのいた方向を見ると、その暗闇の中で月明かりに照らされて白く浮かび上がる人影があった。
いつの間にかパンツを脱いだラクターさんは、ベッドに詰め寄りながらワイシャツのボタンを一つ一つ外していた。
「…ラクターさん?ちょ、ちょっと待って」
「…ん?何かな」
「いや、何って、ラクターさんは一体何を…」
座っている私の横に手をつき、キシリとベッドが音を立てる。暗闇の中でも顔がはっきりとわかる程接近し、思わず目を覗き込むも感情が全く読めない。はらりとボタンが全て外され、白い腹が間から覗いた。
「―――!だ…駄目です、ラクターさん!こういう事は……!」
「……駄目、とは。何がかな?」
「…へ」
いきなり大声を出した私に、目を見開きつつ心底不思議そうに首を傾げるラクターさん。
「あの、だって服…」
「服?…ああ。いつもまともに寝る時は、煩わしいから着衣はしていなくてね。」
裾をつまみながら、至極当然のように言われた。これは私が悪いのだろうか。
勿論、下心も裏もなく、あっけらかんと純粋な瞳で見つめ返される。
(それは…そういう人も居るでしょうけども…!)
身体の力が抜けベッドに手をつく私に、ラクターさんはまた小首を傾げた。
「パンナ君は脱がないのかね」
「脱ぎませんよっ!というか、服を着てください!服を!」