×…カップリング
+…カップリング以外
<シオカラ+モブ>
情けなく尻を引きずりながら後退する男を、ゆったりとした足取りで追いかける。震える足先を斧でつつけば、男から情けない悲鳴が上がった。
「たっ、助けてくれぇ!俺には家族がいるんだ!頼む…!」「ん?」
汗と涙をまき散らしながら男が叫ぶ。少し考えたふりをして、嘲笑ってやった。
「どうでもいいよー、そんなこと」
<シオカラ+ツクダニ>
気まぐれに拾った命は、逃げるように終わる事を望んだ。それを否定し、生きる理由を作った後も、私を理由にまた逃げるように怪我をしようとする。貴方が縋るように傷つく事を望むものだから、私はそれを不幸な事だと言えずにいる
<シオカラ×ツクダニ>
ちょっかいをかけるようにツクダニの背中に寄りかかる
「どうした」
僅かに目を開いたツクダニに「少し風邪っぽくて」と言うと、額に骨ばった手が当てられた
「熱は無いな」
頭痛は?喉は?と本気で心配しているツクダニが可笑しくて思わず吹き出す
「あはは、嘘だったりしてー♪」
「…なんだそれ」
<シオカラ+ツクダニ>
立ち込める血の匂いにつられて次々と化物が現れる。もうどれだけ倒しただろう?地面一杯に敷き詰められた死骸を踏みながら後ろを横目で見る。とうに限界だろうツクダニは、あちこちに生傷を作りながらそれでも私の背中を守っていた。…仕方ない、もう少し頑張るか。私は静かに笑いながら斧を構え直した
<シオカラ+ユカリ>
昼時、台所に行くとユカリが満面の笑みを浮かべてこちらに駆け寄ってきた。
「シオカラさん!見てコレ!」
指された先を見ると、器に卵の黄身が二つ浮かんでいる
「卵割ったら黄身が二つ出てきたんですよ!はじめて見た!」
「…それではしゃいでたの?」
ぷっ、変な奴
<シオカラ+ユカリ>
夜中、ふと目が覚めるとユカリが起きていた。寝起きで擦れた声で名前を呼べば、ユカリは怯えたように身体を震わせる
「あ…ごめんなさい」
ぐしぐしと袖で顔を拭いながら顔を逸らすユカリ。泣いているようだった。なんで?よくわからなかったけど、とりあえずその日はユカリの手を握って一緒に眠った。
<シオカラ×コトリ>
無邪気な笑顔を思い出して一つ
子犬のように駆け寄ってくる仕草を思い出してまた一つ
ぬくもりを思い出してまた一つ、胸にもやもやが溜まっていく
一人が「物足りない」と感じ始めたのはいつからだっただろう。膨れ上がる謎の感情に苛立ちながら苦々しく呟いた
「あーもう…全部コトリのせいだ」
<シオカラ×コトリ>
白い首筋を指でなぞり、歯を強めに立てると小さく喉が鳴った。翡翠の瞳が茫然と私を見上げる。その目に噛みついてやったらどんな顔するだろう?流石に驚くかな?血の涙を流し、顔を歪める様を想像して頭が痺れた。ちょっと見てみたいなぁ。唇についた血を見せつけるように舐めとった。
<シオカラ+美空さん>
ある日、戦場で突っ走った私は敵に不意を突かれそうになった。そこを助けてくれたのが美空さんだった。自分より数倍でかい敵を一撃伸すと、美空さんは虫も殺せないような笑顔で言った。
「こういう時は仲間に甘えていいんですよ、絶対守りますから」
美空さんはなんかずるい。