英雄クロニクルや天呼でまったりプレイしている我が家の食卓(2liy)/天呼のダイス君(3745)文やらくがきをひっそりと上げる用
2016.11.06 Sunday
<ダイス視点/導入>
ダイスさんは何で塔に登ろうと思ったの?
なんてどっかの馬鹿に無邪気に聞かれた覚えがある。
大陸に突然現れたこの塔は最上階まで登ると願いが叶うらしい。
そんな嘘か本当かもわからない噂を信じて、大勢の人が塔に入って行った。
かく言う、自分がこうして塔の中にいる理由と言えば、何てことはなくただの暇つぶしだった。
塔の中にはモンスターが沢山出るって聞いたから、面白そうだと思って。
足を踏み入れてから数か月立つが、登る気のあまりない自分は、道すがらモンスターを狩りながら、たまに通行人の足止めをして楽しみながら、のんびり歩みを進めていた。
「でも、願い事かぁ。登るだけで叶うなら、美味しい話だよね」
どうせ登るならいっちょ願い事でも考えてみようかと思考を巡らせる。
大抵の人が願う金にも物にも他人にもあまり興味が無い。
強いて言えば殺したい奴が一人いるかな。笑顔で人をおちょくる祖父の忌々しい顔を思い出してイラつく。
でもそれはいずれ自分の手で殺せばいい。
そう考えると特に願い事なんてなかった。叶えたければ自分の力で叶えればいい。誰かに頼むなんて無能のやる事だ。
「でも、そうだね。どうせなら町中がこの塔みたいに、モンスターが沢山出るようにでもしてもらおうか。
そしたら町も少しは楽しくなるかも。それか世界を亡ぼす魔王でも呼び出してもらう?」
そんな妄想を広げながら軽やかに乾いた草を踏みしめる。
塔の中だと言うのに天井には青空が広がり、地面には豊かな芝生が茂り、心地よい風に揺れている。
「ふふっ。あーあ、くだらない」
足元に咲いた花をわざと踏みつけながら、歩いて行った。
なんかモンスターでも出て来ないかなぁ。
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